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岩原.kagewari.充尚

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NPO『HOW's』心理コンサルタント(東京HOW'sカウンセリング責任者)
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Kagewari精神分析沖縄分室』『retour&Retour』ブログライター

2010年3月

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睡眠と部屋(後)

思えば日本の居室が和室盛んなりし頃、これほど安眠論議があったかと言えば(今よりよっぽど遮音性能などは劣っている筈なのに)それほどじゃ無かった筈です。
広さや隣室の存在や遮音性能以上に『視感的な印象』が鍵を握っているのじゃないかと思います。和室なんで隣室と襖一枚(廊下があるのがポイントなんですが)であっても普通なんですからね、

例の「靴を脱ぐ文化」って部分もありますが、
襖にしろ障子にしろ個室が区切られている認識度が”デザイン的に高い”んですよ。
厚手であっても「カーテンはカーテンです」、ぴしっと障子が閉められた部屋と比較するとプライバシー度が全然違ってくる。
極端に言えば”布で見えなくしているだけ”ですからね。
考えるに西洋建築導入時に「プライバシー度が交代しかねない合理性」を追求しちゃった側面無いでしょうか。ここ日本特有の心理として、
「靴を脱ぐのにフローリングだ」とか
「西洋では寝室の床はカーペットの方が自然」とか
「家幻想的にシングル賃貸住居でも各室に洗濯機置き場がマストになった(西洋建築で共同住宅ならランドリーの方が自然じゃないか?)」とか
高度経済成長時の和洋折衷に少々無理筋なところもあったのじゃないかと思うんです。

随分前の「靴を脱ぐ文化」の話した時も、居室が一部屋しかないのに寝室よりのデザインではなくてリビング系のデザインにもっていきがちの結果(フローリングしかり)、1Kモデルルームにベッドがレイアウトされていない等『無理筋』が散見されていたのは暗黙の事実で、
外壁塀型のベランダ・バルコニーを各戸の物干しと捉えた結果はきだし窓がマストになってしまい(昭和レトロで正当モダンデザインならフラワーボックスで腰高窓のが自然)、1Kや1DKなのに居室が『田舎の一戸建ての台所+リビングダイニングの縮小版』みたいになってしまった側面あるんです。

考えてください、
「実家の台所とかダイニングの床で寝る」
どう転んでも落ち着きませんよね?

しかも些細な物音まで気になってくると思いませんか?
結論、この部分の判断が曖昧なまま「2階以上志向」が激しくなっていくのは、そんな視感的印象から無意識に逃れようとしているのじゃないかと思うのです。
(木造アパートでも2階だけは腰高窓で窓の外は物干しに利用できてもベランダ・バルコニーは無いってパターン結構あります)

単純に窓ガラスのデザインでもそうなります。
アルミサッシの登場初期には、アルミサッシの内側に障子ってパターンで、コスト的にも窓ガラスは一枚でアルミサッシ窓が、昔の木枠の窓のように『格子状のデザイン』になることはなかった。
そりゃ日本でも浴室なんかはぜいぜい上下に分割されているぐらいで、ガラス窓全てに格子があったとは言いませんが(ここもデザイン的に台所とかダイニングのデザインが格子無し度が高い)、
ほら、思い出してくださいハリウッド映画、
北米は木造家屋(2×4の一戸建て)が中心ですが、窓って格子状のデザイン多くないですか?そして劇中登場する寝室の窓が「はきだし窓だ」なんて事は滅多に無いでしょう。
(在るとするとヨーロッパ映画の本物のお屋敷で洗濯物干し場じゃ無いマジなバルコニーのある豪奢な寝室:こういう部屋のベッドって『天蓋ベッド』ですよね)
ホテルの窓なら非開閉パターンもアリ(中銀カプセルも非開閉)。

そんな背景があるので、
古築物件のリノベーションする時に洋間改装でも「障子はそのまま」って多いんですよ。
(格子窓は西洋でも一般的なので、障子はそこに和紙張ってあるだけでデザイン的に違和感は発生しない)
障子があるからこそ「プライバシー度が高い(パーソナル・スペース)」→安眠できる。
そして「腰高窓なら余計に安心できる」。

日本のマンションデザインの過渡期には床まで一面窓ながら開閉するのは上半身だけ(腰下は羽目殺し)ってありますよね?
あまり優れた設計とはならずに一般化はしませんでしたが(デザイナーズ時代に腰下はガラスブロックにするアイデアによって一部引き継がれています)、
このタイプの窓がどこにあったかというと”リビング・ダイニング以外(子供部屋や寝室)”なんですよ。

つまり現在のシングル住居の一般的デザインって
「安眠的にはちょっと落ち着かない設計」が多いんだと思います。
きっと防犯性の誤解もこういうところからきていて、
防犯性重視って認知の深層心理は「ちょっと落ち着かない設計の部屋は困る」って事なんじゃないでしょうか?

インテリア的に考えてみると、
(洗濯物をベランダバルコニーに干すか否かは個々の判断として)
■はきだし窓の側に「ある程度の高さ(足で容易にまたげる程度)」の家具を設置する。
視感的に腰高窓風にしてしまうんです。
(結露なんかで桟が痛まないようにある程度の距離は開けて設置)
これはデザイナーズマンション等で「チェストボード付き窓風」にする手法なんですが、
一般の住居で考えるとあまりにデッドスペースが大きくなってもいけないのでDIYで作成するといいかもです。
カーテンボックス風に枠だけ(H30cm以下)足元に作ってみるって手もあるかも。
※分譲マンションで改装も可能なら『パネルカーテン(パネルスクリーン)』に切り替える手法もアリ→平面な分視覚的認知が変わる。

この手法は逆説もあって、
洒落た店舗の設計で「腰下だけ窓になっている」のもありますよね。
(狙いはプライバシーの確保なので)
これは小奇麗なお庭みたいなのが外に見えないと形になり難いですが、、

実際に使えるパーツが山ほど市販されているワケでは無いので、
安眠を前提に『窓をどうにかしてみる』をテーマにあれこれDIYで考えてみるとアイデア出てくるかもですよ。
なんだかんだで我々は「窓周りのプライバシーパーツをカーテンに頼りすぎている」のかもしれません。
窓を工夫してみるって部分では「暖房・冷房性能」「防犯性能」にとっても重要な鍵となるので、あれこれ実験してみる価値大いにアリだと思います。

※賃貸住居の場合には原状回復の対象とならないようにご注意です

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